郵政長崎労働組合結成宣言 

                 
                 結 成 宣 言

 すべての働く仲間のみなさん!

 わたしたちは本日、連合反対の立場から、郵政長崎労働組合(略称・郵崎労・ゆうきろう)を結成しました。この組合はすべての人々へ門戸が開放された、誰でも参加できる普通の労働組合です。
90年代。新植民地主義のもと海外へ進出した日本企業は、その国の独裁政権と手を結び、国民抑圧と自然破壊に狂奔し、劣悪な労働条件で人々を雇用し、莫大な利益を上げています。全世界の人口2%でしかない日本は、そのGNPの14%を独り占めにし、その不公平さから内外の批判を浴びています。

 私たちの豊かさはアジア人の犠牲のうえにあり、これは明らかに侵略なのです。国内でこの体制を支えるのは自由主義経済の競争原理と経済大国=金がすべてという差別に満ちた価値観ですし、構造的には労資安定帯=階級協調路線であり、これを承認する労働組合と労働者なのです。今、総評が解体され、それが守った戦後民主主義も終わります。次の時代は経済ファシズムです。労資協調体制下で国益擁護=企業防衛主義が貫かれ、労働組合もこれを目的とし、労働者は企業戦士であることを強制されます。誰も異を唱えることは許されません。これは全体主義そのもので民主主義ではありません。そしてこれの完成した姿が、現代の産業報国会=連合なのです。私たちはこれを拒否し、少なくとも侵略者の加担者だけにはなりません。

 80年代。全逓は労使正常化への転換を語り、右へ舵をとりました。そのときの指導部は「しばらくの辛抱。偽装転向」と現場を説得しました。以来12年。全逓の看板「働く権利」は郵政省がいう「働く義務」に変わりました。職場では生産第一主義がなによりも優先し、競争主義の中で仲間と楽しく働くことが次第に困難になっています。労働者が苦しむ合理化は効率化として正当化され、これに抵抗する人は排除され、また追いつけないものは過労死や辞め急ぎしかありません。この頂点が究極の合理化=活性化計画なのです。従来までの全逓的な価値観や考え方が一変し、職場再編が急速に進みます。全逓の労働力移動、職歴形成、賃金体系の見直などの制度政策闘争がこれを後押しします。
 今までの全逓運動には団結し活動する力が社会を変え、仲間のためになるという喜びと信頼がありました。ところが全逓が連合になり、その旗が事業防衛のためにまずあるという事実は、この夢と希望を打ち砕きます。権利の全逓は死んだのです。

 現在。連合を拒否し、明るく生きていくためには、自らの組合を作る以外にありません。この組合は労働者が主人公の真に労働組合らしいものをめざし、職場で60歳定年まで働き、仲間と競争をせず、弱いものが助け合って生きていくことが大きな目的です。わたしたちは反連合・非全労連で、全労協の旗のもとに結集し、連合が見捨てた国労支援に立ちます。総評が育てた反戦平和闘争を受け継ぎます。
新しい組合・郵崎労は800万連合の重みに耐えながらのスタートですが、全体主義と連合を打ち破ることができるのはこの選択と方向だと思います。現在たとえ蟻の一穴ですが、全国の反連合の仲間と連帯したこの闘いが、勝利を生むと確信します。

 すべてのみなさん!連合全逓はいずれ全郵政と合併し、同盟全逓へと変質します。連合反対はこれを組織的に拒否することです。これが今考え、選択することの第一歩なのです。郵政長崎労働組合はこの期待にこたえます。連合反対のみなさん!ともに手を取り合い闘い抜きましょう。

                                         1990年5月27日
                                              郵政長崎労働組合