西坂の丘から

               岡記念館の正面玄関です。

 岡正治記念長崎平和資料館は市民が運営する平和資料館です。ユニオンはこれに賛同し、ともに闘っています。この運動の企画の折々に組合機関紙に掲載される「西坂の丘から」を編集したコーナーです。

西坂の26聖人像。岡記念館のすぐ近くです。

西坂の丘から1

長崎駅のすぐ前にある西坂の丘はキリスト教徒が処刑された殉教の地であり、約360年前被差別部落の人たちが強制的に移住させられた弾圧の地でもあります。自由と人権を求めて闘った人たちゆかりの丘に、日本(軍)が侵略戦争時に中国や朝鮮半島、東南アジア各国でどんなことをしたのか、聞き取り書きや写真、新聞、雑誌などの展示で事実を明らかにし、日本(軍)の責任を追及し、中国や朝鮮の人と友好関係を結び平和を追求する「岡まさはる記念長崎平和資料館」が有志の手で建立されたのは意味深いものがあります。

開館10年を経て、中国の南京大虐殺記念館と姉妹館となり、七三一部隊罪証陳列館と友好関係を結び政府とは異次元の草の根友好を樹立しつつあります。その岡記念館が開館10周年記念事業として「七三一部隊特別展」を開催します。それに先立ち、「教えられなかった戦争・中国編(侵略からの解放・革命)」(高岩仁監督)というビデオ上映会を行います。小泉首相の靖国参拝で揺れる日中・日朝間友好のためにも一見をお勧めします。

611日(日)13:30〜上映及び高岩監督講演。

チトセピアホール。入場券1000円。(当日1200円)

西坂の丘から2

「岡まさはる記念長崎平和資料館」は1995年10月1日、ルーテル協会牧師であった岡正治さんの意思を引き継ぐ市民有志によって設立されました。岡牧師は日米開戦時には旧日本帝国海軍の下士官でしたが御真影(天皇の写真)拝礼や神社参拝を拒否する等、当時の軍人としては考えられない立場を堅持し、広島に原爆が投下された直後には広島県江田島の海軍兵学校で教員や生徒に天皇へ戦争終結を直訴することを訴え、上級将校から顔の形が変形するほどのリンチを受け、反軍主義者の烙印を押されたという経歴の人です。戦後は原水禁運動や、反靖国運動等に携わり、1971年から3期長崎市議を勤めました。

611日(日)13:30〜上映及び高岩監督講演。

チトセピアホール。入場券1000円。(当日1200円)

西坂の丘から3

長崎市議としての岡牧師は、今、自治体で議員の報酬二重取りとして批判の的になっている「費用弁償」(議員が開催中の議会に出席するたびに交通費として支払われる報酬)をすでに1970年代に批判し受け取りを拒否しました。岡さんはこの他、議員報酬とは別に支給される市政研究費、さらに、お手盛りの議員報酬引き上げに反対した者は受け取るべきではないとして報酬引き上げ分についても市議在任中受け取りを拒否し初心を貫いたのです。すばらしい先見の明があり、意思力、実行力に満ちた人でした。岡さんは市議になる前、1960年には原水爆反対を主張する「日本原水協常任理事」となり、1965年には「長崎在日朝鮮人の人権を守る会」を結成していました。

「七三一部隊の犯罪と戦後無責任を問う」講演会

  講師 王鵬さん(ハルピン・七三一部隊罪証陳列館館長)

 「満州事変は中国人民にとって何だったのか、
七三一は中国人民にとって何だったのか」
     常石敬一さん(神奈川大学教授)
「七三一部隊―実像と虚像と」
2006年7月9日(日)13:30〜
16;30  教育文化会館。

入場券1000円。(当日1200円) 
(岡まさはる記念長崎平和資料館で開催中の七三一部隊特別展入場料も含む)

西坂の丘から4

「日本原水協常任理事」した岡牧師は「韓国・朝鮮人被爆者は日本人とは異なる二重三重の被害者であるが故に、日本人にもまして早急に手厚く救済されるべきだ」と主張し、原爆被害意識一色の長崎で日本の加害責任と救済を打ち出しました。また、天皇の戦争責任を追及する忠魂碑訴訟を起こして市議会議員時代も含めて暴力も交えた迫害を受けました。この忠魂碑訴訟は岡さんが亡くなるまで継続され、「長崎在日朝鮮人の人権を守る会」は1970年に無党派の市民組織として再建され、朝鮮だけでなく中国や東南アジアの人たちの侵略戦争被害者、被爆者の発掘と事実調査、救済へと向います。岡牧師亡き後、そのメンバーを中心に岡さんの遺志を引き継ぐ活動の拠点として現在の岡まさはる記念長崎平和資料館が建設されたのです。

七三一部隊の犯罪と戦後無責任を問う」講演会
  講師 王鵬さん(ハルピン・七三一部隊罪証陳列館館長)
 「満州事変は中国人民にとって何だったのか、
七三一は中国人民にとって何だったのか」
     常石敬一さん(神奈川大学教授)
「七三一部隊―実像と虚像と」
2006年7月9日(日)13:30〜16;30  教育文化会館。入場券1000円。(当日1200円)   
(岡まさはる記念長崎平和資料館で開催中の七三一部隊特別展入場料も含む)

西坂の丘から5

 南京大虐殺や生きた人間を生体実験に使ったり敵地にばら撒く細菌を作ったりする七三一部隊の存在などについて、歴史的に存在しなかったんだと言い、また非人間的だという批判に対して戦争ではどこの国でもやっていることだと言い放ち正当化する人たちがいます。そうであれば人を虐殺し、非人間的なことを行わざるを得ない「戦争」の存在こそ否定されるべきものであり行ってはならないことだと強く認識することが、今の時代にも求められていると思います。岡まさはる記念長崎資料館が開催する七三一部隊展と特別講演会は改めて「戦争」について考える機会でもあります。多くの皆さんの観覧と聴講をお待ちしています。

七三一部隊の犯罪と戦後無責任を問う」講演会  
講師 王鵬さん(ハルピン・七三一部隊罪証陳列館館長)

 「満州事変は中国人民にとって何だったのか、七三一は中国人民にとって何だったのか」     
常石敬一さん(神奈川大学教授)
「七三一部隊―実像と虚像と」2006年7月9日(日)13:30〜16;30  教育文化会館。入場券1000円。(当日1200円)   (岡まさはる記念長崎平和資料館で開催中の七三一部隊特別展入場料も含む)

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